まっすぐな視線

鬱彼氏とのお付き合い日記

0926 お休み宣言

最近の彼は仕事の疲労を訴えることが多い。

付き合い立てでとにかくずっと側にいたいバカップルモードの2人を、彼の職場環境が壊しに来ていた。

それでも毎日おはよう、今日も頑張ろうね、日中少し雑談、お疲れ様、おかえり、おやすみ…と1日中何度か連絡を取り合うマメさは続いている。

この日はそれが少し崩れたタイミングだった。

 

仕事で飲み会に行くと聞いていた日で、前回はお店の営業を終えて移動する時に今から飲み行ってくると丁寧に連絡をくれた。

でもこの日は私が「もう飲み会行ってるかな?今日は先におやすみするね、ごめんね」と送っても反応がない。

午前3時頃に「オフィス飲みでガン寝笑笑」「さっき起きて急いで帰ってる!!」とLINEがきていた。

慌てた状況が伝わってくる勢いのある報告。

一旦目が覚めた朝5時過ぎに😂の絵文字をひとつ送り、アラームで起床した6時過ぎに改めて返事を送る。

「勝手に待ってたの私だけど飲み始める前に連絡あったら嬉しかったな🥺ちょっと寂しかったぞ」

 

「ごめん、、、」と気落ちする彼に「おはよう😊」の挨拶。

30分経って「おはよー!」って返ってきた。

 

今回のこと自体は別にたいしたことじゃないとは思えど、自分の存在を忘れられているように感じてもっと大事にして欲しいと思ってしまった。

会社の人と飲むことは聞いていたのだから全てのリアタイ報告を強制しなくてもと思う気持ちもあったけど、ここ最近多忙で余裕がなくなっている彼からの扱いに寂しさを感じることが続いていた故の不満だった。

 

「会ったらいっぱいぎゅーってして不安な気持ち埋めてね🥰」と送った。

それですべてが満たされるから早く抱き締めて欲しかった。

応えられていない自覚があるならこの気持ちを汲んで安心させて欲しかった。

でも彼は「不安??」と疑問を投げかけ、ネガティブな方に論点をあてた。

 

「あんまLINEの短文で詳細伝えたくないけど、(彼氏)のこと好き過ぎてバランス取れてない気がして不安になったりするよ😢」潜めていた気持ちを打ち明ける。

それを送ったのが職場のトイレだったから、人目がなかったのもあって泣いてしまった。

彼に関して涙を流したのはこれが初めてだった。

 

この流れがなくても、今日会ったら思ってることを時間をかけて伝えようと思っていた。

ちゃんと顔を見て、肌に触れて、抱き着くことで表現を足しながら、最近寂しいよって伝えて、抱き締めて貰うことで解決しようと考えていた。

でも計画が狂って文字だけでそれを伝えてしまうと崩れてしまう。

「バランスかぁ、、」と一言返ってきたけど、会うまでこの話題は触れないようにしようと何も返さなかった。

 

とにかく会えば何とかなると思っていた。

定時に仕事を終えて張り切って彼に連絡すると「お疲れさまです」と絵文字のない簡素な敬語文が返ってきた。

ちょっと待って、これは心が死ぬ。

確かに昼間のやりとりは私が無視した形になって気まずいのを放置したけど、えっ?

「めっちゃ他人行儀💔」って送ったけど返事がないので、仕方なく会ってから話そうと思ってた詳細を文章で送った。

 

「責めたり困らせたくて不安って打ち明けたつもりはなくて😔」

「ただバカップルモードが早くも恋しくて私だけまだそのモードなのかな?ってちょっと置いてきぼりみたいな寂しさがあったのね。」

「でも忙しくて体力も余裕なくて、そんな時に多くを求めちゃだめだよなぁって自分に言い聞かせたりしてね。
私の方が時間あるから余計にのんびり回想したり(彼氏)のこと考える時間長かったから、なんか重くなっちゃったかな😂」

 

返事がこなくて不安が募って怖くなる。

「壁つくんないで😢」

 

いつも同じコンビニとスーパーじゃメニューがかぶるから、今日は途中駅でおつまみを買って帰ろうと保冷バッグ持参で寄り道を予定していた。

でも彼はこの状況で本当に会いに来てくれるだろうか。

無駄になるかもしれないと半泣きの気持ちだったけど、微かな期待で美味しそうなものを手に取って帰途についた。

 

1時間程して返事がくる。

私はまだ電車の中だった。

「俺も何日か前からちょっと考えてて、今全然余裕がなくて初めは会いたいなって思ってたんだけど会わなきゃ!って思うようになってて、これっていいのかな?って考えてた」

 

温度差を感じていたのは勘違いなんかじゃなかったんだと確信に変わる。

会わなきゃの義務感はショックであり、申し訳なくも思ったけど、まずはそれが現実なんだと知って受け止めた。

「そだよね、無理させすぎちゃったね💦」

それに対して彼は「ごめんね!」と言った。

「私も(彼氏)の優しさに甘えすぎちゃった、ごめんね🥺」

 

6分の沈黙を破って彼が言ったのは「少しの間休みたいです」

 

頭が真っ白になりかけたけど、必死に現実を受け止めて会話の継続を頑張る。

「やすむっていうのは具体的にどういう意味?」

既読はすぐにつく。

でも秒で返して欲しい内容なのに10分近く応答がなくて、耐えられず電話出来ないかと申し出た。

話せるなら電車降りるからって。

なんならとりあえずうち来てから話さないかって言いたかった。

 

でもそれには応じず、文字で説明が続く。

「大きな仕事が2つあって、プラスアルファで教育も新しく5人増えてほんと今キャパオーバーで。
これ終わらすまでいちごとの時間をお休みしたい」

聞いていた話に合致する情報に上乗せして、それがもう手に負えないと言う彼。

私はただ頷きながら相槌を打って復唱する。

 

「結局何も承認されなくてまたやり直しで」

「今日もカフェで仕事してたんだけどしんどさと眠さであんまり仕事進まなくて
このままだとダメになりそうです」

本当にお手上げで滅入っているのがよく伝わってきた。

 

時間がないのにうまくいかない焦りで、何とかする為に私との時間を削る発想になったのは仕方のないことだと思った。

責任感の強さも、仕事に対する思い入れも、普段たくさん話してくれていたからこそ大事なことだというのが私にもちゃんと理解出来た。

そして何より「このままだとダメになりそう」と関係の継続を尊重した上での提案ならば、それを受け入れるのが最善策だと思った。

 

「そっかそっか大変だったね…
しんどいの分かったつもりでいたけど全然配慮が足りなくて物凄く申し訳ない気持ちになってる😢」

「仕事終わりにお疲れ様ってなでなでするのが少しでも癒しになってたらいいなって、勝手に唯一私が出来ることだと思っちゃってたけど、義務感出たら色んなこと連鎖してしんどくなるよねごめんね🥺」

「お仕事の成功と、(彼氏)の心身の回復お祈りしてるね😊」

 

「いつまで?」って期限は勿論欲しかったけど、今はそんな答えが出せないと思ったから何も聞かなかった。

「待ってる」って言葉も地雷になりそうで黙って飲み込んだ。

10/22の私の誕生日までにはどんなに遅くても連絡がくるだろうと思うけど、出会う前から3日徹夜して新メニュー開発してた話なんかもあったから元々無茶する傾向にあるみたいだし新しい案件で永遠に多忙説は拭い切れない不安はある。

でも私はこれ以上我儘を言えなかった。

 

「ありがとう、こんなはずじゃなかったのに申し訳ない」

とてもあっさりとダメになってしまった。

まだ出会ってから半月ちょいだよ。

 

生き急ぎすぎちゃったかな、でもタイミングの問題だったのかな。

仕事がこんなに過酷じゃなかったらうまくいっていただろうか。

でも事実としてこうなった。

「連絡しなきゃ」の義務感でなく、心から私を恋しがって「会いたい」と言ってくれる日が来ますように。

 

2人で食べたかったものを1人で食べたら全然美味しくなくて箸が進まなかった。