0910 初デート
お昼前に寝落ちの謝罪を添えたおはようがきた。
睡眠を削ってゲームのために早起きしていた私は今か今かと待っていたその連絡に安堵してほっこり笑顔でおはようを返す。
後から聞いたらこの寝落ちも私に失礼なことをしてしまったと起床時に焦ったらしく、嫌われたらどうしようって思っていたんだとか(笑)。
「私そんなに心狭くないよ(笑)」って言った。
好かれたいという真面目な姿勢が可愛い。
午前中にちょうどD23ExpoLiveというアメリカのディズニーのお祭りがネット中継されていて、インサイドヘッド2、白雪姫、ムファサ、ホンテの映画公開の情報があったことを伝えたらすごく食いついて見たがったので「このまま進展したら一緒にみにいこね💞」って言ったら「めっちゃ見たいは一緒にって意味ですで🤭」ってお付き合いに進む前提で未来を見ている会話をした。
張り切っていた彼は待ち合わせより確か30分以上前に到着していて、そういう行動に想いの強さを感じるのが嬉しかった。
元カレとの比較ばかりでアレだけど、初デートからして宅急便の受け取りが遅れてるとかで待ち合わせに時間通りに来なくて、長い目で見たらこのくらい許容してあげるべきなんだろなーと嫌な顔はしたことないけど優先順位のつけ方に想いの強さって出ると思うから、期待感を察してちょっとほっこりしてた。
なのに私と来たら10分遅刻して結果40分も!?お待たせしてしまってごめんなさい😂(台無し)
会う直前に今日のコーデのお写真を送った。
楽しみにしてくれていたり、服だけの写真を見ても可愛いって言ってくれる彼。
自分に自信がなく自己肯定感が低い私は他者からの評価を自分の価値の全てと思ってしまうので、求められたり褒めて貰えるのは自分の存在価値が成立する喜びがとても大きい。
彼から感じる自分への好意の数々が全部心地良くて、それは私が欲しかったものだった。
ドキドキしながら対面したけど、彼の表情に曇りがないことを感じ取った。
一般的に見たら絶対可愛いとは言えない太っている私の実物を見たら落胆されてしまうのではないか、ここまでの楽しいやりとりの熱も冷めて気に入って貰えなかったら悲しいなと心配してたけど、その表情を見る限りなんとなく大丈夫そうな気がした。
私が目の前に現れたことをただ喜んで、嬉しそうに私を見てた。
私から見た彼もマイナスの印象は何もなくて20cm差の高身長に「おっきい…!」って感じたくらいで、あとはただ相手の表情から感情を読み取ることに集中してたと思う。
何食べようかどこに行こうかって何度も話してたのに結局何も決まってなくて、レストラン街行けばなんかあるよねってデパートのパスタ屋さんに入った。
洋風おでんのお店があった筈って言ってたけど詳細思い出せないみたいで、この土地はお店知らないから「俺のホームの土地に来たらオラオラで連れ回す笑」って言ってて(オラオラするものなの?笑)、今回はとりあえず会えればどこでもいいよねの方針。
私にとっては無難なお店だったけど、お酒とタバコがマストの彼には実は残念なチョイスだったらしく、後日談でこのことは3回くらい悔しい気持ちを訴えられたな…(笑)。
お酒を飲まない私に居酒屋っていう発想はなかったのよごめんね…😂
行きたいとこあるならそう言ってくれたらよかったのにと思うけど、ワガママ言わずに空気読んで合わせて我慢しちゃうとこあるのね。
お座敷のテーブル越しに向かい合って座って、タッチパネルを一緒に覗きながらオーダーした。
セットと単品の項目が分かりづらくて2人であれー?って苦戦した。
洋食シェフを前に「パスタは和風が好き」と言っちゃう私。
ゲームが気になり過ぎる私はデート中でもプレイしたくて、会って早々にゲーム時間を申し出るマイペースさ。
イヤホン半分こして一緒に画面覗きながら私がプレイするのを見て「すげぇ」とか言ってて、この頃の私は自分の生活を優先する感じで彼が必死に追いかける構図だったね。
食べ終わって少しして移動しよっかってなって、お会計は向こうが持ってくれた。
プロフィールにも「デート費用:自分が全て払う」になってたから期待通りではあったんだけど、元カレは割勘派だったから「女の子扱いをされてる」ということがただ嬉しかった。
経済的に困っているわけではないけど、憧れていたことが1つ1つ叶っていく感覚。
女の子の香水はスイドリが好きって話があって、私も高校生の頃からずっとイチオシはスイドリだったから嬉しかった。
この日つけてた香水は別の甘い香りだったけど、スイドリ好きだったらこれも好きかな?って手首を差し出して香りを嗅がせたのが多分最初の近距離。
心を許して少し近付いてみたかった故の誘惑だった。
恋人未満の私たちにはそんな些細なやりとりが照れくさくてドキドキして楽しい。
ハシゴ先は私のチョイスなら可愛いスイーツのあるカフェでお茶…のつもりだったけど、居酒屋に行きたいとのことで方向性を慌てて修正。
そういえばお酒好きって言ってましたね、おっけーおっけー付き合うよ。
お店詳しくないけど居酒屋なら多分この辺のビルにチェーン店まとまってるよって連れて行って、彼のチョイスで適当なところに入った。
初めて狭い空間に2人きりになったエレベーターでほのかにドキドキしつつ、敢えてしれっと普通に会話して目的階へ。
入店の際、消毒液をシュッとした後にコロナ対策で記帳を求められた。
彼はLINEの表示名が漢字フルネームだったけど、私が書いた苗字を目ざとくチェックし「お、〇〇さん♪」と復唱して、私のことを知れるのが何でも楽しいように見えた。
即答でカウンターでいいですと店内に進んでいく彼の後を歩きながら「カウンターだと顔見てお喋り出来ないのにな」と少し残念に思う私。
でも実は横並びの方が距離が近いから側に寄りたくて喜んでカウンターにしたんだと言ってて下心ゆえの行動と分かるとクスっときたり😂
目の前で炭火焼きを頑張って調理する真面目な女の子の店員さんをガラス越しに応援しつつ、美味しいねって言いながらもぐもぐ。
パスタ食べたばっかで満腹だったからあまり箸が進まなくて小食と思われてしまったらしい。
食べて貰うのが喜びの職業の人にそのイメージよくないな、私めっちゃ食べるよ!笑
前に付き合っていた人の話とかどんな恋愛がしたいのかとか、お付き合い前の確認事項みたいな話をたくさんした。
元カノさんと別れた理由は相手からの連絡がマメじゃなくなったことに対する不満のようで「どんなに忙しくても丸一日返せないことはないじゃん!?どっかしらで絶対時間作れるじゃん!」と今も尚納得がいってない様子で数日音沙汰がないことを嘆いていた。
私もお付き合いには発展しなかった片思いで似たようなことを味わった経験はあるので「自分の価値がないように感じちゃうよね」と共感を示すと寂しそうに頷いていた。
彼もまた自己肯定感が低くて周囲からの評価に振り回されやすい同じタイプな気がした。
でも私はその点連絡はマメだし仕事中でもスマホはいじれるし心配ないよとアピール。
昨日の出会いも彼は仕事中だったし、お互い連絡マメタイプだと確認。
あとバレンタインに対する期待がとても高そうで、それがなんだか可愛かった(笑)。
他の人にもあげてもいいけど俺だけは手作りとか特別感が欲しいって、自分を1番大切にしてくれてるって実感したいのだと力いっぱい訴えていた。
愛に飢えていて、それが多分私に向いている期待だと思うとなんだか微笑ましくて、私は手作り出来ないから他の人にあげないで好きな人だけかなって言ったらとても嬉しそうにルンルン微笑んでいた。
「ストレス発散ってどういうことする?」と聞かれて、美味しいもの食べるとかプラネタリウムに行ったり、ひたすら寝たり…文章を書いたりってことを答えたけど、彼は泣ける映画を見て強制的に涙を流すことで発散するって話もしていた。
何度か見ていてストーリーを知っているのに、その時は想像以上に涙が止まらなくて自分が疲れていたことを実感したのだとか。
泣くタイプの男の人なのね、ふむふむ。
話を聞いていると感受性が豊かで同じ犬タイプなんだなと思った。
近い感覚でお互いを理解出来るなら相性がいいかもしれない。
お財布のコインとトランプを使って、突然マジックショーが始まった。
プロフには書いてなかったけど実はマジックが好きなんだと披露してくれて、言われるがままにコインを選んだりカードを選んだりしてあわあわしながら「えっえっ?なんで!?」ってリアクションする私を楽しそうに見てた。
好きなものについて語る時って目輝いてていいよね。
それにしても視線を感じる。
彼、めっちゃ私を見てくる。
横並びのカウンターテーブルに頬杖をついて顔が完全にこっちを向いている。
ニッコニコして私を眺めている。
「見過ぎじゃない…?」と戸惑いを伝えるも、ひるむことなく「見てたい💗」と笑顔で凝視が続く。
「いや?」って聞かれて「嫌じゃないけど恥ずかしい…困る…」と目を背けると、それすら楽しんでいるかのように遠慮なく凝視が続く。うう。
もっと自分の見た目に自信があればまだしも、横顔なんて特にコンプレックスの塊で、フィルターかけて盛った写真ならまだしも実物をそんな。。。
その状態で色んなお話を続けながら、ふと「今のところ私のこと嫌じゃない?大丈夫なのかな…」と彼の気持ちを確かめようとしたけど「それ今ここで言う?」と決まった答えを後で伝えるつもりがあるような口ぶりだったのでそっと期待して口を閉じた。
「ずっと思ってたけど髪綺麗だよね」って褒めてくれたから「触っていいよ」って言ったらとても遠慮気味に中間部分をくしゅっと握っていた。
撫でないと艶わかんないだろうに、とても遠慮してるのが分かった(笑)。
お付き合いが始まってからはいっぱいなでなでして髪の毛も好きに触られるようになったけど、この時のくしゅって触り方が可愛くてとても印象に残ってるんだ。
ここのお会計も彼が出してくれそうになったけど、さっきも出して貰ったしって私も払おうとしたらほんの気持ちだけ徴収されて殆ど彼が持ってくれた。
私に費やしてもいいと思ってくれることがただただ嬉しい。
一緒の靴箱に入れてたサンダルを取ってくれて、お気に入りとは言え履き古したものを手に取られるのが恥ずかしくて慌てて奪いつつ、何をするにも目が合ってその度にニコって笑い合うのが嬉しかった。
お店を出てすぐ彼の左手が私の右手を無言で求めてきた。
恋人繋ぎした手をぶんぶん振り回して、恥じらいと嬉しさで俯きながら笑いつつ、一緒に私もぶんぶんした。
「あーあ、繋いじゃったね(笑)」
言葉で伝え合う前に我慢出来なくなっちゃった彼の行動を私は受け入れた。
このあたり公園とかないよねって2人きりになれる場所を探しながら少しお散歩。
人気のない路地に入ったところで告白された。
ドキドキして舞い上がっていたから記憶モードになってなくて折角の言葉を忘れちゃったけど、キラキラしたまっすぐな瞳が私を見てたのはよく覚えている。
犬がしっぽ振って飼い主のアクションを待ってるような、純粋な期待の瞳。
お付き合いを承諾して私も好きだと応えた。
「ほんと??」って目を見開いて再確認してくる彼に照れながら好意を伝える。
ぎゅーが先だったかな、ちゅーだったかな。
自分のマスクを外してから私のマスクをズラして路上で初めてのキスをした。
居酒屋にいる時からお互いにもどかしく思っていた触れたい欲求が解禁されて、1回では済まなかった。
そのままホテルに誘われて、ちょっと悩んだけど私ももっと触れたいって気持ちが膨らんだからいいよって言った。
初めて会った日に即ホテルなんて軽いと思われるのは嫌だなと思ったけど、お互いを求めてる期待感がそれをどうでもよくさせた。
多分こっちの方にあった筈…って土地勘のある私が案内して、入る前に自販機で飲み物買って、いざホテル街。
立ち並ぶ異空間の景色にちょっとひるんでいると、彼は「やめとく?」と聞いてくれる。
ここまで来て嫌がるのはナシだよなぁとその優しさも背中を押して覚悟を決めた。
マッチングの条件で喫煙者は弾いていたけど彼は喫煙者なのにその項目に解答してなかったおかげでマッチングしてしまったというミラクルがあった(笑)。
惹かれた以上、そんなものは些細な情報なのでどうでもいいんだけどね。
部屋の隅にしゃがみこんでタバコを吸う彼を眺めてキスの味を想像した。
煙は苦手だけど好きな人のことは何でも好きになるからそういうのすらちょっと楽しい。
癖が強い方がその人を強く意識して自分に刻み込まれていくよね。
全てがめちゃくちゃ恥ずかしかったけど、まっすぐ自分を求めてくるのが嬉しくてドキドキしながら受け入れた。
終電を気にして帰り支度のタイムリミットまで名残惜しく肌を重ねた。
駅のエスカレーターでブラの肩紐が出てるのを指摘された時に「これは俺だけのものだから」って独占欲を告げられたのちょっと嬉しかったな(笑)。
触れたい気持ちが収まらなくて、彼は駅のホームでも隙あらばキスしようとして、私は周りの人を気にしながらもそれを受け入れて、帰るのがとても惜しかったね。
バイバイしてからアプリの退会処理どうやるんだってわたわたして。
終止符打たないとLINEでも永遠に寂しいって言い合って「好きだよ💗」「見つめてたい」って送られてくるので強制終了させた(笑)。
お付き合いが成立したんだなあとしみじみ。嬉しいな。