1029 チャレンジ失敗
書籍の中でサポート役の彼女からは毎日決まった時間に頭を使わなくていい内容が送られてきてコミュニケーションを取るのが癒しになっていたという一文があった。
もしそれが毎日「愛してる」と告げられたり「早くよくなってね」と言った内容だったら潰れていただろうとも書かれていた。
早く!とせかすのがタブーなのは100も承知で私も意識して避けているけど、愛してるもダメなのか…と少し頭を抱えていた。
「おれも記念日」のようにうまくいくケースだってあるし、友人も「好きって言われて嬉しくない人はいないよ」と言ってたけど、自分の気持ちがそこまで高まっていないとそれもまた「返せない罪悪感」になってしまうということなんだろうか。
難しい。
十人十色だろうけどタイミングも頻度も含めてとてもとても難しい。
どんな形でもいいからとにかくコミュニケーションが取りたい。
引きこもる彼に天気を教えるという一見くだらないことであっても、それを接点に連絡を取ることがルーティンになっていたという書籍のカップルが羨ましかった。
おはようおやすみ…どちらかだけでもいい、文字でなくスタンプ1つでもいい。
繋がっているのだという安心感が欲しい。
でも過眠傾向にある乱れた生活のおはようおやすみは不規則だろうし、それを私に打ち明けることにまず勇気がいるような気がしたり、定刻に送れなかった時に罪悪感を煽ってしまわないだろうかとか気になって提案しづらいものでもあった。
うだうだと友人に悩みを語っていたら「いっそ聞いてみたら?」とストレートな意見。
なるほど、それは確かに明確だ。
「どんな話題だったらあんまり頭使わずにお喋りできそ?🤔」と送った。
短い文章だから余裕で通知で読める量だろうに割とすぐに既読がついた。
意欲的に向き合ってくれているということだろうか。
期待して返事を待つが、応答はない。
愛してる連呼はダメと書籍は言うけど、何も出来ない自分の価値を見失って「なんでそんなに俺のこと好きなのか」と疑問に思う彼に対しては愛していることをもっとたくさん伝えていい気もして、10時間後くらいにずっと伝えたいと思ってたことを送った。
いっつもねー、チンしたものをレンジから出す度にアチッ!ってなって、その度に「料理人は手の皮大体厚いから」ってひょいっとお皿持ってくれたの思い出すの✨
あれ格好良かったなーって毎回思い出してキュンとしています//♡
翌朝になって既読がつき「懐かしいね」と一言返事があった。
9時半という朝らしい適切な時間だったので「おはよう😊」と返す。
既読がつかない。
さっきの一言の言い逃げのように去ってしまった空気感だったけど、挨拶をルーティンにしたいと期待した私はめげずに「(挨拶返ってくるの待ちだよ笑)」と送る。
それも既読がつかない。
まじかぁ…。
おはようが言えない?
それすら面倒?苦痛?待たれたら重い?
私と繋がっていたい彼からの自発的な感情はゼロってこと?
昼を過ぎ、14時半頃「おはよう!」が返ってきた。
準備していたよくできましたの💮画像をすぐに送ったけど既読がつかない。
明らかに嫌がっている。
時差でこの日の日記を書いている11/2現在、4日経つが未だにその既読はつかない。
25日の夜のように、私が彼の好きなところを語るのを興味持って既読つけながら読んでくれるのならば、1日1つ、好きなところを挙げていこうかとも思っていた。
今の彼に出来ないことではなく、本質的なことを褒める方針で自信をつけて貰いたいと考えていた。
でも受け入れる姿勢がないみたい。
おはようもそんなに嫌がられるのは想定外で、少し膨らんだ期待は一気にぺしゃんこになった。
私が自信を見失う。
最近、椎名林檎の『愛妻家の朝食』をずっとヘビロテしている。
喫煙者で朝帰りが多く気まぐれに頭を撫でてくれる旦那のために、健康を気遣って果物を用意し、黙って孤独に耐え、髪を綺麗に整えて撫でられるのを楽しみに待つ妻の健気な様子が描かれる前半の歌詞が今の私にそっくりな姿勢だと思う。
でも後半で「ところでこんな情景をどう思われますか?差し詰め勝手気儘な嘘を言いました」と献身的な妻が全否定されるのだ。
つまり、そんな一方的な忍耐の愛は無理なのだと言っているような曲で、私もこの曲と同じように強く握っていた筈の希望を見失い「もう何も要りません」と心が涸れ果てる展開が待っているような不安に襲われる。
でも前半への親近感に触れたくて、曲自体も好きで、憑りつかれたようにずっと聴いている。
本当に私のこと好きかな?
病気のせいで色んなことが霞んでいくのは仕方ないし、判断力も鈍る、言動も本来の彼ではないことが増える…という情報は把握している。
でも想像以上に孤独だ。
両想いの筈なのに片思いのようにずっと1人で空回っている。
私迷惑かな、邪魔かな。どうしたらいいのかな。
私のこと大好きな彼氏はどこに行っちゃったの…。