まっすぐな視線

鬱彼氏とのお付き合い日記

0314 まっしろな日

本当に何もないまま終わったホワイトデー。

何もないだろうとは思っていたし、もし何か彼が動きを見せようものなら無理しなくていいよと言ってしまいそうだった、でも少し期待をしてしまっていた。

 

昼夜逆転した私は朝眠って、昼前に目が覚め、何度も眠りなおして14時過ぎにベッドを出た。

その間何度もスマホを確認して彼からのLINEがきていないことだけを繰り返し確認していた。

もしかしたら…もしかしたら…。

 

「〇〇しなきゃ」が強い苦痛になる精神疾患の我々は、きっと時間に余裕を持った行動は出来ない。

日中に連絡が来るのは最早不自然で、連絡がくるなら昨日か今日の日付変更線近くだろうな、などと想像していた。

無駄になるだろうと思いながらも、もし連絡がきたらどうリアクションしようかと考えて使えそうなスタンプを探したりもした。

 

エンゲル係数をあげるただの言い訳なんだけど、彼氏からの連絡がこない代わりにと舞浜で贅沢なディナーを食べに行った。

お値段15,000円なり。

1人で食べるお値段ではないけど、今日は幸せな気持ちをそこで埋めることにした。

 

オーダーを済ませると「いちごちゃん?」と声を掛けられる。

隣の席に案内された女性は年始に仲違いして距離を置いていた友人だった。

彼に自分の体調不良を訴えろ1人で抱え込むなという友人 VS 余裕のない彼には頼れないから打ち明ける気はないという私で揉めた。

その意見の食い違いから何故か悪い未来を確信のように断言され、自分の思い通りにいかないと脅す…という友人のやり方が嫌で私のやりたいようにやらせて欲しい見守って欲しいと言ったら「もう彼氏の話は聞かない方がいいね」と言われて言葉を失ったままだった。

 

お互い1人で隣の席。

折角の贅沢コース料理3時間を沈黙で過ごすのはキツい。

何もなかったかのように「すごい偶然だね!久しぶりー!」って笑顔で接してキャストに頼んで机をくっつけて貰い、一緒に食事をした。

 

彼氏の話題を避けなければいけないのはなんだかとても不自然な気がした。

東京事変の歌詞にある「喉を使えば貴方が零れ出で溢れよう」のように、私は口を開けば彼氏のことを話したくなる程頭の中は彼氏のことでいっぱいなのに。

彼氏の話ではなく彼氏の存在感をほのめかす程度の話題は出したけど友人はそれに食いつくことなく、やはりタブーなんだなあと思った。

直接謝罪をする機会かとも思ったけれど、私は悪いと思っていないので結局それについては触れずに終わった。

 

でも凄いご縁だったなぁ。

お互いディズニーホテルのレストランが好きで暇さえあればキャンセル拾いに勤しんで、拾えればフットワーク軽く頻繁に舞浜に通うというライフスタイルがあるから遭遇してしまう可能性はある程度高かったにしても、まさか同日同時刻に隣の席とは。

彼女自身のことは好きだったから、交流を再開するきっかけとなって「今度ここのレストランキャンセル拾えたら一緒にいこ!」って会う口実が出来たのはちょっと嬉しい。

ゆっくり時間かけていいから、またいつか彼氏の話含めてヨリを戻せたらいいな。

彼氏には休職してることも伝えたよって報告はしてもいいよね。

 

昼過ぎまで寝ていたとは言え、レストラン予約の19時半になっても特に空腹を感じることなく食事をした。

最近全くお腹が減らないし食べても満腹感がない。

私の胃はどうなっているんだ。

そこの感覚が壊れているのに美味しいもので心を満たしたくて無理やり詰め込んでしまう。

でも今日はコース料理のボリュームをたいらげると、久しぶりに満腹感があった。

すぐによく分からなくなったけど。

 

諦め悪くLINEを眺める帰途。

万が一眺めてるタイミングで連絡がきたら待ち構えているのがバレるから彼のトーク画面は開かず、一覧を開いては閉じる。

乗換で急行がホームに辿り着いた時満員具合に少し動悸がした。

私でも緊張するのだから、彼はきっとこれには乗れないだろうと思った。

最寄り駅について彼がいないかキョロキョロ確認して、コインロッカーも使用状況をざっと目視した。

日付変更線を迎え、閉じているロッカーはなかった。

終電間際に彼が私の最寄り駅に来てロッカーを通じて私にプレゼントをくれる期待は儚く散った。

 

まぁ、分かり切っていたこと。

鬱彼界隈の皆も、そうでない一般のご夫婦ですらも「ホワイトデー何も貰えなかった」と言ってる人たちがいて、他でもない彼はチョコが欲しいか聞いた時に「欲しいな、でも俺は何もしてあげれてないのに」と釣り合うものがないことは最初から申告していた。

 

分かってる。

分かってるんだけど、やっぱちょっと夢を見てしまったから寂しいね。

ほんの少しだけ涙が滲んでしまったね。

 

でも何も連絡せず彼を追いつめるような行動をせずに1日を終えられた。

偉いぞ私。

バレンタイン時やホワイトデー直前に「お返しはいらないから」とか言わなかったのが正解だったと思えるようになった。

本当に何も求めないのならそこにお返しが発生することすら思い出させないよう、私がそんなことを意識していないかのように触れずにいてあげた方がいいんだと思う。

よく出来ました。

 

次に送るLINEの連絡は、今日を乗り越えれば3日程度でいいにしようと思っていたけれど、なんだか今は連絡したいという気持ちが少し萎んでいる。

こんなことは初めてかもしれない。

良くも悪くも音信不通に慣れてきたのと、多分少し諦めからくる疲れが出てる。

 

この放置は大切なことで、今までしてあげたくてなかなか出来なかった「理想」の筈。

でも、複雑に考えすぎてしまうとホワイトデーから暫く連絡しなくなったらそれに愛想を尽かしたと伝わってしまいそうでなんだか後ろめたい。

彼からは何もこないのにね。

彼の思考はどんな感じなんだろう。

ホワイトデー意識してたのかな。

何も分からなくて、何も求められない。

私の余裕次第で連絡も関係も簡単に途絶えるんだろうなぁ。